それは2019年9月のこと。とあるきっかけから、私は2泊3日の間に岐阜県内の飛騨高山周辺でスイーツの食べ歩きをすることになりました。
とはいえ、ただ食べるばかりでは面白くありません。せっかくならまだ訪れたことのない場所へ行って観光をしたいしたいし、温泉にも入りたい。
それらの希望を叶えるべく旅程を考えて、初日はスイーツ以外にも清流やお城、西洋館(西洋建築)など見どころ満載の郡上八幡へ。郡上八幡は初めての訪問地なのです。
本記事では、2泊3日の1日目・午前中の様子をお届けします。
<旅程>
1日目:郡上八幡⇒高山市内宿泊
2日目:高山市内散策⇒下呂温泉宿泊
3日目:下呂温泉散策⇒岐阜市内へ
日程:2019/9/4~2019/9/6
郡上八幡城では定番アングルから撮影

2019年9月4日。
JR岐阜駅から岐阜バスの岐阜八幡線に乗り、郡上八幡城下町プラザまで向かいました。
乗車時間は東海北陸自動車道経由で約1時間。下車バス停は終点の八幡駅(郡上八幡駅)ではなくて途中のバス停です。
乗車時間が2~3時間あればともかく、1時間では仮眠した場合、降り損ねる可能性があります。
そのためこの時間を利用して下調べの追い込みをしました。なんたって初めての訪問地。調べるのに越したことはありません。
「え? どうして駅前ではなくて途中で降りるの?」と思われる方もいますよね。それは城下町プラザの方が郡上八幡城や宗祇水(そうぎすい)などの見どころに近いから。
それに加え、手荷物を預けられるコインロッカーもあるし売店もあるし、なにより高山市内へ向かう濃飛バスの高山~名古屋線を利用するには、駅よりもここの方が利便性が高いんです。
…ということで城下町プラザへスーツケースを預け手荷物だけになった私は地図を片手に、一度は登城してみたかった郡上八幡城へ向かいました。
スマートフォン(スマホ)を持っていないので、旅行時に紙の地図は必需品です。
<郡上八幡城>
・所在地:岐阜県郡上市八幡町柳町 一の平659
・戦国時代末期に遠藤盛数(もりかず)が築いた砦が始まり
・続日本100名城のひとつ
・入城料:大人400円
・御城印:1枚300円(毎月最終金曜日には金色の御城印あり)
・郡上八幡城の公式サイト(外部サイト)

ただ「地図は読めるけど方向音痴気味」だからなのか、郡上八幡城の方向は漠然と分かったものの、イマイチ「辿り着くための道」は確信が持てません。
しかもその方向には急階段が。
「この階段を上ってお城まで行けたとしても、それだけで体力がなくなってしまう」
と咄嗟に判断した私は、付近の駐車場にいた地元の方に道を尋ねました。
すると「あの階段は神社(岸劔神社 / きしつるぎ じんじゃ)の参道で、お城へは坂道を道なりに進めば着く」とのこと。ありがとうございますっっ。


教えていただいた坂道をてくてくてく…と4~5分歩き、疲れた頃にタイミング良く出現した円空の癒しの水で一服休憩。お城はまだまだ先のよう(溜息)。
そして九十九折りの坂道を登り続けると、途中にはところどころRPGゲーム風な看板がありました。

「困難だが早い道」もそのひとつ。
しかしこの急な階段は、どう見ても無理。無理ったら無理。階段を下りる帰りだったらともかく、登るのは絶対に無理。
…写真撮影だけして迷わず無難な道──そのまま坂道を歩くことにしました。
坂道を歩くこと約25分。
木立の合間からやっとなんとかどうにか建物の一部が見えました。念願の郡上八幡城へやっと到着したのね…!!
疲れた~。でも嬉しいっ。

ではでは、早速、入城券と御城印の購入を。
…の前に「お約束のアングル(Web上で『郡上八幡城』と検索するとほぼ必ず表示される定番アングル)」から写真撮影を。

「この角度ではない」「こっちでもない」と、あちこちに移動した甲斐があり、どうにか似たような感じで無事に撮影できました。満足。


さて、この郡上八幡城ですが、戦国時代末期の永禄2(1559)年に遠藤盛数(もりかず)が砦を構えたのが始まりです。
戦国時代にはいったん城主ではなくなりますが、関ヶ原の合戦後に城主へ復活。以後、城主は井上氏、金森氏、青山氏と変遷。江戸時代には郡上藩の藩庁でした。
その後、明治維新の廃藩置県により明治3(1870)年に廃城。
現在の天守は昭和8(1933)年に建設され、現存する“木造再建城”としては日本最古のもので、4層5階建ての模擬天守です。
- 続日本100名城のひとつ
- 入城料:大人400円(私が購入した郡上八幡城と郡上八幡博覧会の共通入場券は当時650円)
- 御城印:1枚300円(毎月最終金曜日には金色の御城印あり)

ちなみに比高(麓からの高さ)は354 メートル。比高329メートルの岐阜城よりも少し高い山城です。
いや待って。麓から天守の建つ山頂付近まで、ロープウェイを利用してしか登城したことのない岐阜城よりも、ここって高いんだ。
首から下げたタオルが汗でびっしょりになるのも道理。そりゃ疲れるわけです。
ただ、岐阜城の場合はプチ登山になるので、道路が整備されているこことは一概には比べられないんですけどね。

窓からは見えるのは郡上八幡の風情ある町並み。
9月に入ったばかりなので残暑は厳しく、時折吹く風に疲れた身体が癒されました。
城内では城主ゆかりの甲冑や刀などを見ることができるので、お城好きの方もそうではない方も、ぜひどうぞ。
麓からタクシーを利用すれば、山道を歩かなくても済みます。
郡上八幡博覧館は大正時代の西洋館

お城の次に目指したのは郡上八幡博覧館。
ここは大正時代に郡上税務署庁舎として建てられた、木造2階建ての西洋館(洋館建築)なのです。
庁舎としての役目を終えた後、平成3(1991)年に改修され郡上八幡博覧館として生まれ変わりました。
薄茶色を基調とした外観はほぼ竣工当時のもので、角ばった形から醸し出される威圧感がいかにも税務署らしい雰囲気です。
その外観を右から撮影したり左から撮影したり。しばらく見惚れた後、お城で購入した共通入場券を窓口に提示し、いざ中へ!


建物内の展示コーナーでは郡上八幡の水・歴史・技についてのパネル紹介が。
そのほか、全国的に有名な食品サンプルや当地で生まれたシルクスクリーン印刷などの展示物も豊富。

なかでも郡上おどりコーナーでは日本三大民踊のひとつに数えられている、郡上おどりの実演を観ることができます。
郡上おどりとは、毎年7月中旬から9月上旬までの間、延べ30夜以上開催される盆踊りのこと。なかでも盂蘭盆会にあたる8月13日から16日までの4日間は、徹夜で踊り続けるんです。
期間中は地元の方だけでなく、旅行者でも参加することができため、多くのリピーターがいるそう。
そんな体力があれば、徒歩で郡上八幡城へ登城するのなんて楽勝なんだろうな。
郡上おどりについて詳しくはこちらのサイトをご覧ください▼
TABITABI郡上公式サイト内 郡上おどり2025(外部サイト)

おどりは全部で十種十曲。すべてのおどりが国の重要無形民俗文化財の指定を受けています。
実演の開催は土日祝日にそれぞれ1日5回。舞台上へ踊りに精通したスタッフが浴衣姿で登場し、下駄の音を響かせて数種類のおどりを披露してくれます。
実演時間以外はすべての踊りが映像で流れるため、これにも見入ってしまいました。ああ、時間が足りない…。
ここは旅行の主目的・スイーツではありませんが、「郡上八幡の西洋館3選」のひとつとして、トラベルjpで紹介しました。
書けるものは1本でも多く書きたいもん。
岐阜・郡上八幡で見たい!レトロモダンな西洋館3選(トラベルjp / 外部サイト)
そうそう。お土産品は出口付近のお土産処で販売していました。
※上の2つのツイートでは「博覧館」を「博覧会」と書き間違えました。正しくは「博覧館」です
スイーツを求めて水の町をぶらぶらと

郡上八幡博覧館の後はスイーツを食べてから、水の町・郡上八幡の中でも湧き水スポットとして知られる宗祇水(そうぎすい)へ行きたい!
なんたって郡上八幡へ着いてからもう2時間以上経つのに、肝心のスイーツとまだ出会えていないのです。
歩き疲れてお腹も空いてきたし、早くなにか食べたいっっ。

…と思いながら歩いていると、古い佇まいの上田酒店で「酒屋のソフトクリーム」の文字を発見!
屋根に飾られた「白雪」の看板といい、店舗前に設置された水舟(みずふな )といい、なんだか惹き込まれる。
水舟は郡上八幡特有の水利用システムで、湧水や山水を引き込んだ2~3槽からなる水槽のこと。
最初の水槽は飲料用または食べ物洗い用として、次の水槽は汚れた食器洗い用として利用され、ご飯粒などを含んだ水はそのまま下の池に流れて鯉や魚のエサとなるそう。
ただ、このように通りに面して設置されている場合は観光用のもので、
町歩きの途中で乾いた喉を潤すことができるんです。私もいただきました。
それにしても気になるのはお酒入りのソフトクリームの味。やはり日本酒の味が強いのかな?
そこでアルコール度数を尋ねると「日本酒のは21度で、焼酎のだと25度」との答えが。
21度…かなり強い。
ほんのりと日本酒が分かる程度だったら、記念すべき1つめのスイーツはここの酒屋のソフトクリームにしたかったけれど、いかんせん下戸の私に21度は強すぎるため断念。
※上のツイートで「上田酒店」を「戸田酒店」と書き間違えました。正しくは「上田酒店」です

次に立ち寄ったのは宗祇水への目印としていた桜間見屋(おうまみや)。
同店は元祖肉桂玉本舗として明治20(1887)年に創業した老舗の土産店です。
ここでハッカ味の飴が好きな母用のお土産として白桜玉を購入しました。
お土産1人分クリア!
(お土産は記事内で使用しないため自分持ちです)
桜間見屋の角を曲がれば宗祇水まであと僅か。
まだスイーツと出会えていませんが、この後も行きたいところは山盛り状態。果たして私は無事に出会えるのでしょうか。
その2へつづく
基本情報(施設情報)
本記事内で訪れた場所です▼
(この記事は2019年9月の岐阜県飛騨高山周辺スイーツめぐり旅行記です)