浜松市内&近郊で愛でる藤の花スポット3選~見頃はGW前から!ライトアップも!

おでかけ情報

桜の花が終わると次は藤の花の季節。静岡県西部の浜松市周辺の主な藤の花スポットは、はままつフラワーパークと浜名湖ガーデンパーク、そして行興寺(ぎょうこうじ)の3ヶ所です。さらにそのうちの2ヶ所では毎年、夜間のライトアップを開催。

そこでこの記事では、それら3ヶ所の見頃時期や見どころ、ライトアップ時の様子などを、画像を交えてご紹介します。

浜松市内&近郊の藤の花スポットはどこ?

●藤の花スポットは浜松市内に2ヶ所、磐田市に1ヶ所

はままつフラワーパークの藤の花(撮影日:2021年4月21日)

浜松市内と近郊の主な藤の花スポットは、浜松市内の「はままつフラワーパーク」と「浜名湖ガーデンパーク」、そして磐田市内にある「行興寺(ぎょうこうじ)」の3ヶ所です。

「お寺さんで藤の花鑑賞!?」と驚かれる方もいると思いますが、行興寺は平安時代末期の熊野御前ゆかりの寺院で、境内に咲く長藤は「熊野(ゆや)の長藤」と呼ばれ、国指定天然記念物に指定されているほど。また隣接する「豊田熊野記念公園」でも藤のお花見が楽しめ、毎年多くの人々で賑わいます。

浜松市内の2ヶ所は、いずれも「浜名湖花フェスタ」の花スポットです。はままつフラワーパークでは「長フジ棚」と日本庭園周辺、および「虹のフジのトンネル」の合わせて4つの藤棚が、浜名湖ガーデンパークでは池に架かる橋に絡まる藤の花が来園者を楽しませています。

浜名湖花フェスタの様子や楽しみ方について書きました▼

●入場料金は?

入場料金は浜名湖ガーデンパークと行興寺は無料で、はままつフラワーパークは有料です。はままつフラワーパークの入場料金は季節変動制なので、出掛ける前に公式サイトでのチェックをお忘れなく。

●見頃はいつ?

藤の花の見頃やピークを迎える時期は気象状況や品種によって変わります。長藤の場合は近年ではGW前にピークを迎えることが多いようなので、遅咲きの白藤と同じタイミングでピークを迎えることはほぼないでしょう。

とはいえ花の開花時期はその年の気象状況によって変化するので、参考に留めてくださいね。

●夜間のライトアップはどこで行われるの? 期間と時間は?

はままつフラワーパークの藤の花(撮影日:2021年4月23日)

3ヶ所の藤の花スポットの中で夜間にライトアップが行われるのは、はままつフラワーパークと行興寺です。
ライトアップ期間は、はままつフラワーパークは4月下旬からGW期間中にかけて18:00~閉園までで、閉園の30分前まで入園可能です。行興寺では4月下旬の週末およびGW期間中の日没~21:00まで行われます。

2025年のライトアップ期間
はままつフラワーパーク…4月24日(木)から5月5日(月)まで。
※フジの見頃が過ぎる場合は終了日を早めることもあります。詳しくは公式サイトをご覧ください
行興寺…4月21日時点では未定です

ライトアップ期間の4月下旬からGWは日中は汗ばむ陽気になることもありますが、夜間は意外と冷えるので暖かな服装がお勧めです。私は行興寺のライトアップに出掛けた際、長袖Tシャツの上に薄手のカーディガンを羽織った姿だったため、寒くて寒くて見るのもそこそこに帰宅しました。日中の寒暖差は侮れません。

日中が曇天だったとしても、暗くなってしまえばほぼ関係ありません。気になっていた方は、この機会にぜひどうぞ。

藤の花スポットの見どころ紹介

それでは藤の花スポット3ヶ所の見どころを簡単にご紹介します。

●浜名湖ガーデンパーク

浜名湖ガーデンパークの藤の花(撮影日:2019年4月28日)

浜名湖ガーデンパークの藤の花スポットは、園内の一番奥に位置する「花の美術館」に。
ここは2004年に開催された浜名湖花博の際に、印象派の画家であるクロード・モネがフランスのジヴェルニーに造った庭を、この地に模して造り整備し以降、5年の間「モネの庭」と呼んでいた場所です。2009年(平成21)年4月以降は「花の美術館」と名称を変え、バラの大アーチのある「花の庭」と睡蓮の花が咲く「水の庭」の2つのエリアで多くの来園者を楽しませています。

浜名湖ガーデンパークの藤の花(撮影日:2019年4月28日)

藤の花は水の庭の池に架かる橋とその周辺に見られ、周囲の風景と相まって和風庭園の趣を醸し出しています。池は橋を渡っても渡らなくても一周できます。
花の見頃時期は4月下旬から5月上旬にかけて。ライトアップはありませんが、日中、ゆっくりのんびりと池周辺の散策をしてみてはいかがでしょうか。

花の美術館近くでは、週末にキッチンカーが出店することも。私はここで藤の花ソフトクリームを購入しましたが、暑さのためかソフトクリームがデロデロに溶けてしまい撮影を諦めました…。

トラベルjpで紹介しました(撮影日:2014年5月23日~2016年4月15日)▼

●はままつフラワーパーク

過去にはままつフラワーパークの藤の花を撮影した画像の中から12枚を選んでスライドショーにしました。園内では、ご覧のような藤景色を愛でることができます。

はままつフラワーパークのウエルカムガーデン(撮影日:2021年4月21日)

はままつフラワーパークの藤の花スポットは、大温室に向かう途中にある「虹のフジのトンネル」と、長さ80メートルの「長フジ棚」およびその先にある「日本庭園周辺」等です。
さらに正面ゲートから入ってすぐのウエルカムガーデンでは、大鉢に植えられた藤の花が来園者を迎えてくれます。園内に一歩足を踏み入れただけでウキウキするかも!?

はままつフラワーパークの長藤棚(撮影日:2021年4月21日)

はままつフラワーパークの長藤棚(ライトアップ)(撮影日:2021年4月23日)

同園の藤棚は先述した「虹のフジのトンネル」と「長フジ棚」のほか、日本庭園周辺に「シロフジ(白藤)」と「ヤエコクリュウ(八重黒龍)」の藤棚があります。
長フジ棚に植えられているのは9尺フジとも呼ばれるノダナガフジ(野田長藤)で、日中は優雅で優美が姿を、夜間にライトアップされた姿は凄みのある美しさで人々を魅了します。

はままつフラワーパークの日本庭園付近(撮影日:2021年4月21日)

シロフジとヤエコクリュウの藤棚は長フジ棚の先に。
シロフジは池に沿って(一部、池に架かる橋の上)藤棚が設けられているため、ライトアップ時には池に映り込んだ様子を撮影しようとする方々も。私も何度か挑戦しましたが、持っている望遠レンズのないミラーレスカメラでは思うようには撮れませんでした…。

ヤエコクリュウはパッと見ると葡萄のような感じの可愛らしい藤です。(上記スライドショーの6枚目の花)

はままつフラワーパークの虹のフジのトンネル(撮影日:2021年4月21日)

はままつフラワーパークの虹のフジのトンネル(ライトアップ)(撮影日:2021年4月23日)

「虹のフジのトンネル」は大温室に向かう途中の斜面の端にあり、柔らかな弧を描くように両端部分が低く中央が高くなっています。藤のつるは左右から頭上を這うように伸びているため、藤の花のトンネルのような趣です。

トンネルには、色のグラデーションを作るためにホンベニフジ(本紅藤)とシロフジ(ショウワシロフジ / 昭和白藤)、エビチャフジ(海老茶藤)の3品種および、側面下部にヤエコクリュウが植えられています。藤色と白、そして淡い藤色から成る、まさに虹のトンネル…!

ライトアップされた藤棚について書きました▼ 

●行興寺(熊野の長藤)

熊野の長藤(長藤まつり)(撮影日:2016年4月26日)

「行興寺」境内に咲く「熊野の長藤」の樹齢は、およそ850年(磐田市教育委員会による)。平安時代末期の佳人・熊野御前お手植えの藤と伝えられ国指定天然記念物に指定されています。
当地出身の彼女は平清盛の三男・宗盛に見初められ都へ上り寵愛を受けましたが、故郷に残した母親が病の床に伏したことを知り、この地へ戻り生涯を終えました。行興寺の境内には熊野御前と母親の墓所もあります。

熊野の長藤(国指定天然記念物指定の株)(撮影日:2016年4月26日)

境内には国指定天然記念物に指定されている藤1株のほか静岡県指定の藤も5株あり、計6株の藤が境内に設けられた藤棚へ蔓を這わせて周囲に甘い花の香りを漂わせています。

そうそう。藤の花を愛でていると、必ずと言っていいほど蜜を吸いに来たクマバチ(クマンバチ)の姿を見ます。ずんぐりとした体形と羽音の大きさに驚く方もいますが、クマバチは彼らを脅かす行為をしなければ刺さないのでご安心を。

豊田熊野記念公園(撮影日:2016年4月26日)

豊田熊野記念公園は行興寺の北側に隣接しています。ここはかつて鎌倉時代に創立された真言寺院の遍照山西法寺があった場所で、現在は藤棚のほか、熊野伝統芸能館の能舞台が設置されています。藤の花の甘い香りに包まれながら、のんびりと散策してみてはいかが?

熊野の長藤(静岡県指定天然記念物の株)(撮影日:2017年4月22日)


熊野の長藤は毎年、4月下旬の週末およびGW中の5月3日頃まで、夜間ライトアップが行われます。
ライトアップされる時間は日没~21:00まで。先述しましたが日中は暖かくても夜間は冷え込むため、暖かめの服装でお出かけくださいね。

駐車場ですが、日中(9時~17時まで)は天竜川の河川敷の臨時駐車場(無料)を、17時以降は池田交流センター駐車場(池田407-1 / 無料)ご利用ください。行興寺から天竜川の河川敷の臨時駐車場までは約300メートル。途中にある「池田の渡し歴史風景館」では天竜川渡船の歴史を知ることができることから、長藤鑑賞の前後に立ち寄る方の姿も見られます。
また、JR豊田町駅から会場までは無料シャトルバスの運行も。詳しくは池田まちづくり協議会の「2025年(R7年)臨時駐車場の開設のお知らせ」をご覧ください。

行興寺(熊野の長藤)周辺地図です▼ 天竜川の河川敷の臨時駐車場は地図上の「トイレ」より南側です。交通整理のスタッフがいる場合は指示に従ってくださいね。

トラベルjpで紹介しました(撮影日:2011年5月2日~2016年4月26日)▼

基本情報(開催情報)

浜松市と近郊の藤の花スポット3ヶ所はそれぞれ雰囲気が異なります。
規模や品種数などから一番見応えのあるのははままつフラワーパークですが、浜名湖ガーデンパークは和風庭園の雰囲気を持ち水彩画を見るような優美な趣を、行興寺では頭上一面に咲く長藤の典雅な世界を堪能できます。
三者三様…もとい、3ヶ所三様。自分好みの藤の花スポットで素敵な時間をお過ごしくださいね。

2025年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。この記事は無断転載およびAI学習禁止です。(麻生のりこ)

【更新履歴】
2025年
 4月15日公開
 4月21日はままつフラワーパークの2025年夜間開園期間について